平成24年 3月 定例会−03月05日-05号平成24年 3月 定例会
伊東市議会3月定例会会議録(第12日)
平成24年3月5日
●議事日程
平成24年3月5日(月曜日)午前10時開議
第1 一般質問
●会議に付した事件
議事日程と同一。
●出席議員(22名)
1番 掬 川 武 義 君 2番 重 岡 秀 子 君
3番 森 篤 君 4番 浜 田 修一郎 君
5番 榎 本 元 彦 君 6番 佐 山 正 君
7番 横 沢 勇 君 8番 杉 本 一 彦 君
9番 鳥 居 康 子 君 10番 長 沢 正 君
11番 楠 田 一 男 君 12番 井 戸 清 司 君
13番 佐々木 清 君 14番 西 島 彰 君
15番 四 宮 和 彦 君 16番 鈴 木 克 政 君
17番 浅 田 良 弘 君 18番 稲 葉 正 仁 君
19番 稲 葉 富士憲 君 20番 三 枝 誠 次 君
21番 宮 ア 雅 薫 君 22番 土 屋 進 君
●説明のため出席した者
市長 佃 弘 巳 君
副市長 石 井 勇 君
副市長 原 崇 君
企画部長 梅 原 誠一郎 君
企画部企画政策課長 杉 本 仁 君
同秘書課長 鈴 木 健 支 君
同情報政策課長 三 間 雅 之 君
理事 水 口 秀 樹 君
総務部長 若 山 克 君
総務部財政課長 中 村 一 人 君
同収納課長 藤 原 一 コ 君
市民部長兼危機管理監 鳥 澤 秀 壱 君
市民部生活防災課長 堀 井 裕 三 君
同環境課長 石 井 裕 介 君
保健福祉部長 日 吉 一 三 君
保健福祉部地域医療課長 露 木 義 則 君
理事 山 木 勇 一 君
観光経済部長 三 好 信 行 君
観光経済部観光課長 堀 野 順 章 君
同産業課長 荻 島 友 一 君
同競輪事業課長 堀 池 靖 幸 君
建設部長 牧 野 昇 君
建設部建設課長 萩 原 俊 幸 君
同建築課長 鳴 戸 英 彦 君
同都市計画課長 山 田 隆 一 君
会計管理者兼会計課長 三 浦 章 子 君
上下水道部長 佐 藤 活 也 君
上下水道部下水道課長 今 井 健 壽 君
消防長 築 山 繁 信 君
消防本部消防総務課長 池 田 正 明 君
同消防署長 高 橋 義 典 君
教育長 佐々木 誠 君
教育委員会事務局教育次長 鶴 田 政 利 君
同参事兼幼児教育課長 大 川 浩 君
同教育総務課長 稲 葉 繁太郎 君
同学校教育課長 大 川 幸 男 君
同生涯学習課長 萩 原 博 君
監査委員事務局長 小 林 恵 子 君
●
出席議会事務局職員
局長 野 満 勝 二 局長補佐 冨 士 一 成
主査 富 岡 勝 主査 稲 葉 育 子
主事 鈴 木 穂 高
会 議
午前10時 開議
○議長(土屋進 君)おはようございます。
ただいまから本日の会議を開きます。
━━━━━━━━━━━━
○議長(土屋進 君)まず、諸般の報告をいたします。
陳情の付託につきましては、お手元に配付いたしました。
以上で諸般の報告を終わります。
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○議長(土屋進 君)これより議事に入ります。
△日程第1、一般質問を行います。一般質問は、申し合わせにより、1人1時間以内、関連質問なしで行います。
質問準備のため、暫時休憩いたします。
午前10時 休憩
───────────
午前10時 再開
○議長(土屋進 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
まず、14番 西島 彰君の一般質問を許します。
〔14番 西島 彰君登壇、拍手〕
◆14番(西島彰 君)おはようございます。
正風改革クラブの西島 彰でございます。ただいまより通告に従い質問を行います。
観光ビジネス未来白書2010年版をひもときますと、世界の総GDPに占める観光のGDPは9.4%、日本円で493兆円の巨大産業として世界経済に大きな影響を示しています。対して日本の総GDP515兆円に占める観光のGDPは約4.6%とはいえ、23兆5,000億円は、国家予算の約4分の1に相当する大きな経済を担っていることになります。数年前、市長が招聘された香港の
観光エージェントEGL社袁社長の講話の中の、「煙の出ない大きな産業が観光である。今後はさらに世界経済に大きな役割を果たすことになるだろう」との言葉を思い起こします。
さて、観光を基幹産業とする本市において、観光は歴史文化の熟成や地域経済の活性化、雇用機会の増大などによる市民生活の安定に寄与し、地域や国を越えた交流による経済振興は、伊東市経営の有力な柱ととらえるものであります。全国総観光地と言われる中、国内外を人が大規模に移動する状況に、さまざまなサービスの地域間競争が激化しています。観光経済を導く行政経営と観光に携わる市民が一丸となって協働し、他地との差別化を図り、多くの人の移動を導くことが喫緊の課題と考えるものです。
また、多くの自治体で、定住人口の減少から生ずる需要の減退を補てんする施策として、交流人口の吸引を目指す観光戦略の策定が行われています。まちのにぎわいは交流人口の獲得によって促され、定住人口との触れ合いが文化と経済を生み出し、人がたくさん集まることで心豊かな人生観を共有し、かかわる産業の収益を向上させます。場の力が高まることは地価を引き上げ、ひいては市税の増収にもつながるのではないでしょうか。
日本の多くの観光地が類似した魅力を表現する中で、ひときわ輝く本市の観光資源力を伝え、そして導くためには、ターゲットへのダイレクトで的確な情報の配信が必要です。そのためにも、正確で精度の高い
観光動態統計によるデータ集積が、効果的で効率的な成果を導く羅針盤として必要不可欠であると考えるのです。
平成22年4月から、観光庁による各都道府県の観光入込客統計に関する共通基準が導入され、四半期ごとのデータや指針が示されるに至りました。観光庁は、各地域において効果的、かつ効率的な観光振興のための戦略立案に十二分に活用されるようにとの発表をしています。あいまいな憶測ではなく、正確な数値に基づいた
観光戦略づくりがなされるべきであり、万が一誤った統計データをもととした観光施策は、財政支出の適否にもかかわりかねないものとなります。
そこで、本市における観光政策について3点お伺いいたします。1点目の質問は、観光施策策定の基礎データである
観光動態統計調査は、どのように実施され、分析されているのか。また、調査結果は
観光推進事業の策定にどのように生かされ、民間の
観光経済活動に貢献しているのかを伺います。次に、2番目の質問は、国・県の
観光動態統計を踏まえ、本市の特性を生かした観光振興のために、官民協働による観光戦略室の設置の必要性についてであります。平成23年2月10日、観光庁から発表された共通基準による全国観光入込客統計の結果活用事例や県比較データは大変興味深いものでした。例えば、兵庫県は県外に比べて県内宿泊客の消費単価が大きいことから、
安近短滞在型商品の開発が必要である、奈良県は県外宿泊客の消費単価が大きいことから、奈良だからこその歴史文化を生かした施設の整備と、複数泊の滞在型商品の開発を進めることとの指針が示されています。また、和歌山県は県外日帰り客の消費単価が大きいことから、県外アクセスの向上及びワンストップで気軽に楽しめる
観光スポットの整備などがあぶり出されています。
さらに、観光消費額の規模の大きさを改めて知らされたのは、長野県の4月から6月までの第1四半期統計の結果でした。この3カ月間の観光消費額が約1,100億円に上り、
年間売上高日本一を誇る
ジュース出荷額の約800億円をしのぎ、あの有名な信州みそに至っては、出荷額のおよそ2倍の額を示していたことです。また、延べ宿泊客数では、東京都1,146万人、北海道876万人に次ぐ597万人で、静岡県が第3位でした。伊豆エリアは597万人の約60%を占有しているのですから、伊豆は大変大きな観光経済圏として位置づいていることになります。ちなみに、静岡県入り込み客の22%が県内から、75%が県外から、外国からは3%とのデータからも、本市への来遊頻度の高い国内地域へのアプローチが、今なすべきことと思われます。
さらに、
全国平均宿泊数は1.3泊ですが、静岡県は1.26泊とおくれをとっています。しかし、従業者数30人以内の宿泊施設ほど連泊性が高いデータから、本市では人間力によるクオリティーの高いおもてなしを打ち出した複数泊企画の商品がねらい目かもしれません。他県や類似団体との比較の中で探し出す施策は、
観光動態統計という羅針盤なくしては成り立ちません。国、県、市だから持ち得る情報と、民間だからこそ持ち得る情報を持ち寄って施策を生み出す官民協働の観光戦略室の設置が必要であると考えます。ご所見をお伺いいたします。
3点目の質問は、按針祭を主とした年間イベントについて、
スクラップ・アンド・ビルドの観点から、どのように考えておられるのかを伺うものです。今年、市制65周年の節目となる按針祭の企画に大いに期待をするところですが、本市では、年間を通じて大小さまざまなイベントが実施されています。時の経過とともに、お越しになる皆様のニーズや感性の変化、経済環境の変化によって多様な変遷がなされてきました。変わらない大切さと、残すために変わる大切さをどのように評価し、事業の繁栄に、また、時には廃止という決断につないでいるのでしょうか。
市長が主導される伊東市システムは、事務事業の見直しをP・D・C・
Aマネジメントサイクルとして他市の注目を集め、大きな評価をいただいていることは周知のとおりです。
観光イベントの改革に関しては、
観光動態統計のデータをベースに、動員客数、費用対効果、関連経済効果、情報波及効果、リピート性などを加えた、イベントに特化した
マネジメントシステムが、よりシビアな評価を導くものと考えるところです。
また、今年1月20日、宮城県松島観光協会へ出向き、震災時の状況とその後の観光産業の対応を視察した際、手渡された松島町産業観光課からの
観光動態統計にくぎづけになりました。震災以後、4月からの観光入り込み客数が前年比61.3%と激減する中、驚くことに宿泊者数は129.4%と、すべて前年対比増を示していたのです。時を見て、今だから、だれが、何の目的を持ち、どこに、だれにを定めた的確な情報を発信することこそ、人を導き、経済を停滞させない官民協働の戦略的姿なのだと痛感した次第です。
次に、
伊豆半島ジオパークの推進についてであります。今年度の日本認定を視野に、平成27年の世界認定を目指す
伊豆半島ジオパークは、伊豆のだれもが唱えてきた伊豆は一つの共通テーマとしてふさわしいものと理解をするところです。地球からいただいた贈り物は、
地質的自然景観の保護保全を促し、その活用は心の豊かさと
地域コミュニティーを充実させ、地域経済の活性化にも貢献するものと考えます。南の海からやってきた伊豆半島の進化について、以下4点質問いたします。まず1点目は、
伊豆半島ジオパーク推進協議会会長として、
伊豆半島ジオパークの推進に向けた7市6町の広域連携をどのように主導されるのかを伺います。続いて2点目は、ジオガイドの養成やジオポイント、ジオサイトの説明サインの設置が進行する中、大きなテーマである活用の姿が見えにくい感があります。観光関連や市内商業者を中心とする関係者の強い関心と具体的な行為行動があってこそ、先行きに成果がうかがえるものと考えます。そこで、
市内観光経済の振興にジオパークをどのように活用していくかの道行きをお示しください。
次に3点目の質問です。
ジオパーク世界及び日本の認定地の多くがジオサイト、ジオポイントとともに
ビジターセンターやミュージアムを有しています。今後競合するであろう各地とのソフト、ハードの差別化が、事業の推進に大きなかかわりを持つものと危惧するところであります。そこで、
伊豆半島ジオパークの推進に当たって、基幹となる施設が必要と考えるが、閉鎖した民間施設を活用するお考えがあるかについて伺うものです。平成24年度静岡県の
観光振興重点事業に含まれる市町等の
観光施設整備への助成として、
富士山世界文化遺産や
ジオサイト施設の整備促進と
県有観光施設の整備として、2カ年限定9億9,500万円が予算化されることは周知のとおりであります。
ジオサイト施設整備には
ビジターセンターや案内窓口も含まれるのですから、これらの活用によるいち早い具体案を知事に要請するのはいかがでしょうか。
また、静岡県観光局発表の平成22年4月1日から23年3月31日までの1年間、静岡県観光交流の動向によりますと、静岡県の
観光交流客数は1億3,843万人、
観光レクリェーション客数は1億2,149万人、宿泊客数は1,694万人となっています。これに構成する伊豆エリアの占有率は、
観光交流客数3,906万人で28.2%、
観光レクリェーション客数2,883万人で23.7%、宿泊客数は1,023万人で、何と県全体の60.4%を占めています。ちなみに、本市の占有率は
観光交流客数で県の7.7%、伊豆エリアの27.2%、
観光レクリェーション客数で県の6.6%、伊豆エリアの27.8%、宿泊客数は県の15.3%、伊豆エリアの25.3%を占有しています。伊豆の観光客4人に1人以上が本市を体感していることになります。以上のことからも、静岡県財政への伊豆エリアは有数の財源地区として貢献しているはずです。伊豆半島に1つくらい県立の
観光文化施設があっても不思議なことではありません。
最後の4点目は、教育長に伺います。私もさまざまな市民活動に参画して20年が経過しますが、郷土伊東の歴史文化に触れる学習機会やフィールドワークの中で、参加者の多くが他地から転入された方々なのです。時には、この方々から郷土伊東のことを教えていただくことも多々ございます。伊東人が伊東のことを知っていることは当たり前のことのようですが、現実は少々違っていると思われます。鉄は熱いうちに打てと申します。子供のころから郷土の自慢を知り、語り、郷土の礎を築いた先人を敬い、五感に響く体感の中から実感する正真正銘の
伊東大好き人間として成長するのではないでしょうか。
そこで質問ですが、
伊豆半島ジオパークの推進を学校教育の面からどのようにとらえているのか。また、学校教育に生かすため、郷土を知る、学ぶ授業として取り入れる考えがあるかを伺います。本市にとって多くの市民がかかわる観光経済の振興は、市民生活における疲弊感の打開と先行きへの期待、そして子供たちの夢をはぐくみ導く永遠の行政課題であります。厳しい経済状況の中に安定への光を見出す目標となりますよう、積極的なご答弁をお願いして、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔市長 佃 弘巳君登壇〕
◎市長(佃弘巳 君)14番 西島議員にお答えをいたします。
初めに、本市における観光政策について、
観光動態統計調査はどのように実施され、分析されているか。また、調査結果は
観光振興事業の策定にどのように生かされ、民間の
観光経済活動にどのように貢献をしているかについてであります。
観光動態統計調査につきましては、観光課において、年4回、四季ごとに伊東駅や
大室山等主要観光施設9カ所において実施をしております。約2,400人の観光客の方々から聞き取り調査を実施しておるわけであります。そういう中で、調査結果につきましては、国・県の観光動向調査と照合して分析を進めてきておるわけであります。
その中で、ただいまはEGLの袁社長の話等もあったわけでありますが、この間も観光庁の溝畑長官とも約1時間、いろいろと話をしてまいりまして、そういう観光動態の調査は国がやるべきであるということは、国のほうが入国管理局とか、そういうものをしっかりと把握ができる。そして、やはりそれを
観光動態調査として発表すべきだということを私も3年ぐらい前から言ってきた経過で、今それが出るようになってきたわけであります。そういう中で、やはり観光動態の結果を見た中で、どのように政策に生かしていくかというのは一番大事なことでありますし、それにはフットワークをよくして迅速な行動、これをしていかなければならないというふうに感じておるわけであります。そういう中で、特に伊東市におきましても、市内経済の活性化を図る観光戦略を構築するためのデータとして活用することはごもっともなことでありますし、また、分析結果を民間企業にフィードバックをして企業経営に役立てていただいておるわけであります。
次に、国・県の
観光動態統計を踏まえ、本市の特性を生かした観光振興のために、官民協働による観光戦略室の設置が必要であると考えるが、いかがかについてであります。観光はあらゆる産業が相互に連携する総合産業であることから、観光戦略を考える上で、官民協働による観光戦略室の設置は有効な手段であると認識はしております。これまでも国・県と連携を図る中で、
伊東観光協会を初めとする
観光関連団体と定期的に協議を行う中で、観光におけるさまざまな分野で活動されているNPO法人、諸団体及び地域組織の方々との連携を密にして、機会のあるごとに観光戦略について研究・協議をする場を設けてきておるわけであります。また、国・県の動向、そういうものは、やはり私自体が一番よく知っておるわけでありますし、県の観光協会の方向性がどちらに持っているかというのは、私自体が中心になって考えているわけでありますので、国におきましては溝畑長官ともじかに話をすることができるわけでありますので、そういうものは戦略をつくる前に水面下で物事を進めていかなければならない。その方向性が出たときには、静岡県、また、
伊豆観光推進協議会は、もうその体制に入る、そういうやり方をしておるわけでありますので、戦略室を新たに設けなくても、十二分に今、戦略は内々で立てることができ、また、方向性を決めることができる立場に私もなっておりますので、そういう表面上じゃなくて、やはり実をつかむ、そういうものにおいて、今後は観光というものは進めていかなければならないというふうに思っております。
次に、按針祭を主とした
年間観光イベントについて、
スクラップ・アンド・ビルドの観点から、どのように考えているかについてであります。按針祭につきましては、催し物部会において、按針祭終了後、反省会を開いて、参加者等の意見を踏まえて翌年の参考としておるわけであります。その他の
観光イベントにつきましても、常に
スクラップ・アンド・ビルドの観点に立って、観光客や市民、
観光事業者等の意見も踏まえて、時代の流れに沿った効果的な
観光イベントの創出に努めておるところであります。また、特にこの
スクラップ・アンド・ビルドというのは大変難しいわけで、よせばよしたで文句を言われますし、やればやったで文句を言われるわけであります。ですから、そういう中で携わる人たちがしっかりと認識をして、私は物事を進めていっていただきたいということも言っておるわけであります。
そういう中では、
伊東観光協会では、総務委員会、企画委員会、
イベント推進委員会の3委員会を設けて、イベントの内容の検証や観光客のニーズに合った事業の実施などについて検討会議を定期的に行っておるところでもあります。今後も観光振興に対しては積極的な諸団体と観光のビジョンや情報を共有し、現場主義に基づいて観光政策を展開してまいりたいと考えております。
次に、
伊豆半島ジオパークの推進についてのうち、
伊豆半島ジオパーク推進協議会会長として、
伊豆半島ジオパークの推進に向けた7市6町の広域連携をどのように主導していくかについてであります。現在、
推進協議会事務局は伊豆の各地で講演会や現地をめぐる
住民向けツアーを実施して、地域の皆様に対する啓発活動を精力的に行っておるところであります。このことによって、いとう漁協などの団体から
ジオパーク推進について積極的に協力をいただき、さらに西伊豆や中伊豆方面の地域においては、NPOや地域ガイドなどによる
各種ジオツアーやお菓子などの関連商品の開発を始めるなどの動きがあらわれてきております。
広域連携を主導するためには、このような各地で起きている動きを各市町の関係機関で共有をして、伊豆全体の意識を高めて地域間の温度差が出ないように足並みをそろえることが重要であるというふうに考えております。そのような中で伊豆半島6市6町首長会議や各種協議会の総会などの機会をとらえて、観光地伊豆の振興・発展の大きな資源であるジオパークの重要性を、会長として引き続き訴えてまいりたいというふうに考えております。
次に、
市内観光経済の振興に、ジオパークをどのように活用していくかについてであります。
市内観光経済の振興を図るためには、
リピーター客の確保、新たな観光客の獲得が重要であると認識をしております。また、ジオパークという特色ある観光資源を活用して、本市の新たな魅力を提供することが、マンネリ化を防ぎ、
リピーター客とともに新たな観光客の獲得につながるものと考えております。また、現在、ユネスコにおいて世界遺産と同様の
正式プログラム化が検討されている
世界ジオパークは、認定されることによって大きなブランドとなる価値を秘めておりますし、伊豆半島を世界レベルの
トップブランドとして確立させることが、本市のみならず伊豆半島全体の経済の活性化と観光振興につながるものと確信をしております。
次に、
伊豆半島ジオパークの推進に当たっては、基幹となる施設が必要であると考えるが、閉鎖した民間施設を活用する考えはあるかについてであります。これは、さきの質問にもお答えをしたように、基幹となる施設につきましては、当面は既存の観光施設、そこで対応してまいりたいというふうに考えております。特に県施設がないというようなことも言われておるわけでありますが、観光立県をうたっておる静岡県におきましては、伊豆半島を抜きにして観光は語れないわけであります。その中心的役割を私も担わせていただいておるわけであります。それは、今後のジオパークの認定に向けた中で、どのような方向に進めていくか、そういう中で考えた中で実現をしていかなければならないかなというふうにも考えておりますが、これは今後の計画推進の中で検討してまいります。
最後の質問につきましては教育長が答弁いたします。以上です。
〔教育長 佐々木 誠君登壇〕
◎教育長(佐々木誠 君)次に、
伊豆半島ジオパークの推進を学校教育の面からどのようにとらえているか。また、学校教育に生かすために、郷土を知る、学ぶ授業として取り入れる考えがあるかについてであります。
私たちが住んでいます伊豆半島が、地質的、地形的な点からとても重要な場所であるということを私たち自身が実感し、子供たちにも伝えていかなければならないと考えております。現在、総合的な学習の時間などでは、大室山や城ヶ崎海岸の現地において講師の先生から説明を聞くなど、既に地域を学ぶ学習として取り組んでいる学校もあります。今後は、
伊豆半島ジオパーク推進協議会とさらに連携を深め、社会や理科、総合的な学習の時間などに生かしてまいりたいと考えております。
◆14番(西島彰 君)ご答弁ありがとうございます。今回の質問をするに当たり、実は議員になって最初の静岡県の市町村の議員のグランシップでの研修会、あのときのことを思い出しました。そして、そのときに、当時ちばぎん総合研究所代表の額賀 信先生の講演だったと思います。いわゆる観光振興を通じた地域活性化をテーマに、「観光革命 スペインに学ぶ地域活性化」という本を書かれているということを伺いまして、それで、実はそのときに買った本でございます。これをずっとドッグイヤじゃないですけど、気になるところを折りながらいたんですが、ちょっと向こうのほうにほうっておりました。今回改めてこれを読み直してみました。それは、なぜ感銘を受けたかというと、国内旅行も、国外旅行も、あわせまして人が移動するということは同じことでありますし、スペインが人口4,300万人でありながら、年間に5,700万人の外国からの誘客を実績として挙げているという、この状況に、当時、ビジット・ジャパン・キャンペーンで500万人を1,000万人にするというような状況の話の初期のころですので、ショックを受けたというか、なぜそうなんだろうなということを考えたわけです。実際に読み取ってみますと、やはりそこのベースにあるのが
観光動態統計であって、スペインにおいては各観光関係事業所に国の法律でデータを出させるということが基準になって、それを一月後にはもうフィードバックしている。そのことが、結局どこの国、どこのまち、どういう人が、どれだけのお金を使ってということが明確に数字に出てくるんで、不特定多数に折り込みをしたり、インターネットでしたりというようなことばかりでなく、ここのこの人たちにという、こういう目的を絞ったアプローチをしているということでした。まさに非常に効率的で効果的な、こういうやり方を既にもうずっとやっているということでした。
そういう中で、伊東市の
観光動態統計調査がどのようにとられているか、これについて伺いましたところ、今もご答弁の中に年4回、2,400人の聞き取り調査を行っているということでございます。この調査は、先ほど観光課でというふうにおっしゃいました。実際、観光課なのでしょうか、どこなのでしょうか。また、どういう内容でとられているのかお知らせください。
◎
観光経済部長(三好信行 君)実態調査の関係でございます。これは、観光課が自然歴史案内人に現在委託して実施をしております。調査項目につきましては幾つかあるわけでございます。それは、どこから来たのか、年齢、職業、交通手段、さらには旅行形態、来遊回数、滞在日数等々を調査しております。以上でございます。
◆14番(西島彰 君)ありがとうございます。自然歴史案内人会の皆様とも、ふだん顔を合わせる機会が多いんで、いろいろお話を伺います。もう既に3年継続されているということと伺っています。内容的には大体承知はしているつもりですけれども、私ども民間活動の中で、以前に東海館の入館者に対してアンケート調査も行いました。聞き取りをやりました。このときは商業高校の生徒たちに協力を要請して、コラボしてやったわけですけれども、ちょっと象徴的だったのが、まず、東海館にいるお客様に、この前はどこにいましたか、この後はどこに行きますかということの調査です。そうすると、どのくらいの観光施設をめぐるとか、それから、どういう動線を描くのかということも大体わかってきます。そうすると、どこに案内看板をつけた、どこに誘導パンフを置いたかというようなさまざまなことのポイントが出てくるわけですよね。人が動けば、その動線に何を置くのかということで効果は全く変わってくると思います。例えば、このときの調査では41.7%が南口線を歩いていました。一見、商店街を通るのかなと思いましたら、そのときの調査は376サンプルですけれども、商店街は、残念ながら2.6%でした。それから、どこで東海館を知ったか、これについては、残念ですけれども、「旅館で聞いた」という人は1.6%です。やはりそのあたりの取り組みの姿勢とか、これが資産だ、財産だということの意味合いを官民がしっかりと共有しないといけないんだろうなという、こういうことの反省でございます。その自然歴史案内人会さんがとられている3カ年の統計につきましては、どのように、だれが分析をされているんでしょうか。
◎
観光経済部長(三好信行 君)先ほど市長も答弁をしたとおり、この調査は観光に大変役立つ調査だと認識をしているところでございます。これは市の調査はもちろんのこと、国・県とそのときの調査をすり合わせながら、また分析しながら、観光課で調査をしております。さらにまた、こういうデータを観光協会等々の各種団体にもお話をし、そのときの時代に合ったイベント、さらには宣伝方法そのものを考えております。以上でございます。
◆14番(西島彰 君)ありがとうございます。国の調査、県の調査、そして市の調査、すり合わせの中でやっていくわけですけれども、その中から読んでいくということだと思います。それについて、民間は民間でそれぞれにやっていると思うんですけれども、やはりそこでの現場との情報をまぜ合わせるというか、すり合わせをしながらつくっていくという形、このことが、フィードバックするばかりじゃなくてフィードバックした後に、もう一度、やはりそういう話し合いを持つ、また、施策を引き出す。こういうようなことをしていく必要があるんだろうと私は思います。せっかくとられている動態統計ですので、これをさらに意味あるものにしていってほしいと思います。
それでは、今やっていることが究極なのか、この後にこの動態統計に対してどのような進化を考えているのか、もしあれば伺いたいと思います。
◎
観光経済部長(三好信行 君)これはもう長く調査をしているわけでございます。議員ご承知のとおり、3年前から伊東温泉を熟知している自然歴史案内人会に委託をしてお願いしているわけでございます。その前は一般的なアルバイトの方にお願いをしてきた。そういう方法もだんだん変わっているわけでございます。今後につきましても、この内容を含めた中で、どういう統計調査が一番いいのか、そういう部分も含めてこれから検討してまいりたい、そのように思っております。以上でございます。
◆14番(西島彰 君)ぜひともしっかりと、例えば民間が民間であって知り得ることと、それに行政が持っている情報をそこに送り込むことにおいて、より精度の高い、また、一民間の企業が高まるための方法論も見つかるような気もします。そういうような形の中でぜひとも進めていっていただきたいと思います。
2番目の質問に移ります。戦略室のことです。今1番目の質問とほとんど重なるんですけれども、こういうような情報を持ち合い、持ち寄る、その中で新たな生きざまを見つけるということだと思います。自分のことになりますけれども、私も四十数年事業をやってきております。どんなやり方をしたかということについて、マーケティングのお話ですので少しだけさせていただきたいと思います。お見えになったお客様はカルテをつくります。カルテの居住地において、伊東市の地図の中に待ち針で1本1本刺していきます。そうすると、どこのエリアにどこのお店のお客さんが集中しているとか、そういうことの傾向がしっかりと見えてきます。待ち針が集中しているところが、やはり一番お客さんが多いわけですから、そうすると、いわゆる販売促進の戦略をどういうふうにかけるかというと、やっぱり強いところにかけるんですよね。ここが弱いから、ここを獲得しようと思って、そこにアプローチをかけると、お客さんはやっぱり来ないというか、成果が上がらないんですよ。ですから、強いところにかけるということに大きな意味があって、これがやはり動態の統計の1つの大きな形だと思うんです。より色濃いところに戦略をかけるということは、そこだけにかければいいんで、そうすると、そこの目的に合った内容を、そこの地域に仮に折り込みをするにしても、地域指定で折り込むことができますよね。全世帯にかけることが普通でしょうけれども、2万6,000とか2万8,000とかという新聞折り込みをかけるときに、この地域に3,000かけてくださいというと、それだけコストが下がって、そして、より効果的になるわけですよね。それから、例えばこれはA4ですけれども、A4の場合になると折りが入りますので折り分を取られるわけですよ。そうすると、B4ならばそのままで1枚料金ですから、こういうようなことも含めて、民間は、やはりその戦略とか、やったキャンペーンとか、そのものが成果が上がらないと、これは死活問題につながるということになりますので、かなりシビアに物事を考えてやっています。
そういうことが、広告といいますけれども、ある意味、動態統計の戦略というのは、広告――広く告げるということじゃなくて、狭告――狭く告げるということの意味合いが非常に大きいと思うんです。ですから、そんなようなことも考えていくと、やはり官が持っている情報だけじゃなくて、民が持っている情報もしっかりと引き上げてこないと、いい戦略情報にならないわけですよね。例えば1軒1軒の旅館さん、ホテルさんは、それなりの情報をしっかりと持たれて、それなりの戦略は打っていると思うんですが、伊東全体、伊豆全体という形になったときに、やはり効率のいい戦略を、共通の戦略を打つということも1つのあり方であるように私は思うんです。それは、先ほど市長が、もう下のところで既に認識しているし、やっているよということですが、事実上、やっぱりもっともっと現場の、即現場にいる人たちとの情報交換、それから先ほどおっしゃったスピード感のある、今やるべきことは何なのかということをやっていくということだと思うんです。それには、やはりあえて役所の中に戦略室なんかつくらなくたっていいわけですよ。いつでも行って集まれるような、そういうような場所がどこかに、観光協会の中だっていいじゃないですか。商工会議所の中だっていいじゃないですか。そういう中に仮に1つテーブルを置いて、そこにこういう情報があるよ、観光課の人もちょっと来てくださいよ、今どういう情報がありますかというふうなことを持ち寄るような、そういうような場所があってしかるべきじゃなかろうかな、このように思うわけです。いかがでしょうか。
◎市長(佃弘巳 君)先ほども答弁したとおり、戦略というのはゆとりと知識がなければ立てることができないわけであります。ですから、その中でこの伊東の置かれておる立場、また伊豆半島の立場、静岡県の立場、そういうものを考えた中で戦略というのは考えていかなければならないわけで、相手の立場にも立って物事を考えていくには、まず行動をしていかなければならないわけであります。ですから、そういう中でいろいろと今までやってきたものでないものをやらないとだめだということで、そういうものを観光課が中心になって実施をしておるわけであります。また、今、集中的に物事をやるんでなくて、集中的にやることと、点をつくって、その点をまた拡大していくということで物事を考えておるわけであります。
ですから、伊東に来ていただいている観光客のうち約80%が関東圏からのお客さんでありますが、伊東だけ強くなってもだめだということで、JR東日本等とも協力をする中で、伊豆半島全体の底力を上げていかなければいけないということで、この3月にも県のほうの力をかりて約2,000万円でインターネット方式、また、首都圏を中心にした中での誘客、そういうものもやっておるわけです。また、東アジアにおいても台湾を中心に点がありますので、その点の拡大もしていかなければならないわけであります。ですから、物事というのは、点をどこに集中し、その周りにまた点をつくって、それの動線をつくって商売というのはやっていかなければならないわけで、産業というのは、お金が回って経済が回る。それは、一極集中的に物事をやっても、そこには限られた財源しかないわけであります。その財源をいかにして多く取るかというのが、その周りをぼかしながらふやしていき、また、点をどんどんつくって、その点をうまく利用していくから大きなものにもしていかなければならないわけでありますので、そこらの戦略というのは、私自身が一番よく知っておるというふうにも自覚をしておるわけであります。東京が大観光地である以上は、東京へ行ってよく学んで、伊東へ取り入れられるものがあったら伊東へと取り入れるようにということで、今キャラバン等に行っても、すぐ帰ってくるんでなくてしっかりと東京を見学して帰ってくるようにということでやっておるわけであります。
その戦略室をどこへつくるか、つくらないかといっても、そのゆとりと知識、知恵、そういうものがないのに戦略室をただつくっただけであって、その情報をやってくれということは、西島議員もよく承知していると思いますが、伊東のまちの中で積極的にそうやってどんどんやっていこうといって機関車のごとくやる人というのがいれば、また、その人の戦略を私は取り入れていかなければならないと。ただ、側をつくるだけでなくて、やはり実をとらなければならないということで、常日ごろいつも
観光経済部長とか、また観光課長、また観光協会、旅館組合、そこらの方々とは1カ月に1回ぐらい会って、戦略はこういうふうにしていったほうがいいよ、今こうなっているよという情報を私は提供して、またその方向へと動いていく。そういうものをやっていかないといけないなというふうに思っております。
◆14番(西島彰 君)よくわかりますし、何ら反論もありませんし、同じことを言っていると思っています。ですから、よくわかっているつもりです。ただ、県の観光協会の副会長という役職ですよね。ぜひそういう立場で他の市町に対して大きく導く、そういうことをもちろんされているわけですけれども、そういうことをもっともっとぜひやっていただきたいし、そして、今おっしゃった形のものを
観光経済部長とも、観光協会ともお話ししているということですが、もっともっと今度はもう少し下のほうまでそういう情報が届くような形に私はしていただきたい、このように思います。ありがとうございます。
ちなみに、市長が提唱されたいとうの日、すっかり定着してきてはおります。そういう中で、今私こんなことを言っています。「いとうさん」という人に「いとうさん」料金をつくろうよと各お店に言っています。それは、調べますと、全国に伊東の伊東姓は2万5,647世帯――電話帳調査ですけれど、これで194位です。藤のほうの伊藤姓ですと25万2,732世帯、これは6位です。このあたりの部分も、今度は地区別に密度を調べてみますと、伊東市の伊東姓の場合には、長野県、山梨県、高知県、秋田県に結構集中的にある部分があります。それから、藤のほうの伊藤さんの場合には、愛知、岐阜、三重、秋田、このあたりに集中的にあるところがあります。例えば近場だったら、そこの地域の「いとうさん」をバスで引っ張ってくるようなことも、それは1つの方法かなと。また、たまたま見えた「いとうさん」に、「いとうさん」でしたら、伊東市としては特別の料金がありますよというようなことも1つの方法として、いわゆる目的を絞ったということの中で感じました。
それから、3番目のイベントのことなんですが、実際廃止するということはなかなか難しいということは十分にわかります。そのイベントに対してさまざまな方が長年にわたって、やはりかかわってこられた、その部分のことも考えると、一概にやめるよというわけにもいかないこともわかります。ただ、そういう意味で、効果とのすり合わせの中で、やはりそこにお金を投入するよりも、こっちに投入したほうが効率的かなという部分もございますよね。そういう部分が、ある意味P・D・C・Aのマネジメントサイクルの形だと思うんですよ。そういう意味では、もちろん事務事業という形の中では、当然やられているわけですけれども、イベントについても一つ一つ、本来そういう形があってもよろしいのかなと思うわけです。
それで、この観光基本計画ですけれども、これがもうあと2年で10年ですよね。やはりあっちこっちの自治体とか見ますと、ここに来て、やはり観光戦略であるとか、観光立市であるとかという形の中で、具体的には何を整備する、何をやる、だれとやるということが大体あるわけですよ。ところが、どういうタイムテーブルで、そしてどのような方法でという、このあたりが、やはりどこを見ても、これもそうなんですが、ほかのところもそうなんです。そのあたりが見えないということの中で、あと2年ということの前に、この戦略的なものをもう一度考える、そういうことが必要かなと思うんですが、いかがでしょうか。
◎市長(佃弘巳 君)はっきり言って、戦略というのは戦っていかなきゃならないわけで、その戦略を表に出してしまったときに、手の内を教えてしまうことになるわけであります。ですから、そういう中で、ただ形をつくるんでなくて実をとる方法、そういうものをしっかりしていかなければならないわけで、今そういう中では、いろいろな構想とか何かを本にしろということを国・県は言っておるわけであります。でも、その文のとおりに世の中はいかないのが経済であるわけでありますので、学校の勉強が経済で生かされるかといったら、生かされるわけではないわけで、そういう文を書いて美名のごとく物事を進めていくということでなくて、そのときそのときの……。10年先というのはわからないわけであります。ですから、一年一昔と言われておるわけでありますので、そういうのは、やはり中間でローリングをどんどんしながら変えていかなければならない。ですから、実をとる方法をどのようにしていったらいいかというのは、一番私は大事だというふうに思っておりますし、体制を整える中では戦略を練る。ですから、戦略というのは、やはりしっかりとした戦略を練った中、進めていくにもスピードを持って進めていかなければならないわけでありますので、書いたものをそのままやっていくということになると、今度はそこでスピードダウンをしなければならなくなってくるわけでありますので、その目的に向かっていくというための観光戦略、そういうものが必要であるというふうに思います。それは、表に出すのと裏でやるのと両てんびんで経済というのはやっていかなければならないというふうに思っておりますので、私は実をとるほうを重要視して、今進めておるわけであります。以上です。
◆14番(西島彰 君)そう思いますが、実をとらないでつくるだけのことではもともと意味がありませんので、実をとることは、もう最初から目的であると思うんです。ですから、そのためにも、例えば見直しというようなことも随時やっていくようなことも必要になるんじゃないかなと思っています。
ちなみに、ちょっとずれるんですが、これは松原の連合町内会が出した津波のハザードマップです。こういうのも、例えば自主的にやったわけですよね。松原では全世帯に配ったわけですね。こういうものもきっとつくる段階で、行政だから持ち得る情報が仮にコラボできたとしたら、また多少変わったのかなというふうなことも思っています。ですから、やはり情報は共有し合うということをしっかりやっていかなきゃいけないのかな、このように思います。
次に、ジオパークに入ります。ジオパークは、今年秋に日本認定を目指すわけですけれども、同じように今年日本認定を、1年に大体2カ所だと聞いておるんですが、競合はどこですか。また、今ねらっている地域は何カ所ぐらいあるんですか。
◎観光課長(堀野順章 君)今、本年2カ所と言いましたけど、これは私が知っている限りでは、箱根が日本認定に向けてやっております。以上です。
◆14番(西島彰 君)まだ箱根は受けていないですよね、目指しているということですね。同じタイムテーブルだと思います。ほかにも目標にしているというところは10カ所ぐらいありますんで、そういう中では、やはり日本認定には、いわゆる勝算はあるとは思いますけれども、世界認定ということになりますと、なかなか厳しいハードルもあるのかなと、このように思います。官民協働の形の中では、やはりジオガイドの養成とか、そのあたりが、また、事業所の認識、これをつくるということがちょっとおくれているような感じはします。というのは、例えばいろいろな活動の中で、また、実際に行われた推進協議会のさまざまな講座でも、行ってみると、お見えになる方たちは大体同じような方たちです。ですから、そこに事業所関係の方、それから宿泊関係の方、もっともっと押しかけるような形の仕掛けをつくっていかないと、なかなか厳しいのかなという感じがしています。
それから、民間施設の活用ということに関しましては、この間の代表質問の中で鈴木議員のご答弁の中に、既存の観光施設を活用すると同時に、県のというようなお話が市長の中にあったように覚えているんですが、そのあたりはどのようなことでしょうか。
◎市長(佃弘巳 君)それは、これからジオパーク認定に向けていく中で、拠点というのがある程度必要かなと。でも、今の状況は各既存の観光施設を使っていくわけであります。ですから、そういう中で伊豆のジオパークの拠点というものをつくっていくということになると、やはり伊東へつくるというわけにはいかないだろうと。それは、私が会長をやっている以上、自分のところへつくるというのは、やはり周りからひがみが出てくる可能性もありますし、伊豆の中心というものを考えた中で、どのようにしていくかというものは、方向づけは私のほうが協力をして物事を進めていかなければならないという中で、これは今後の問題にも関係してくるわけでありますので、今は当面は既存のもので進めていこうということで私は考えております。
◆14番(西島彰 君)会長だからつくるわけにはいかないというご答弁ですけれども、いろいろ会長としての、また6市6町のサミットのさまざまな実績から、佃市長ならばしようがないだろうというようなことにもなるような気もしますんで、ひとつぜひお考えいただきたい。1つにはこんなことを思いました。以前にも出たかもしれませんが、一碧湖ですよね。一碧湖は10万5,000年前に水蒸気爆発してできたジオポイントでございますので、あそこに今、閉鎖しているミュージアムもありますので、そんなこともひとつご検討の対象に、また、ホテルもありますので、宿泊施設がある、会議室がある、シンポジウムができる、教育旅行ができる、逆にさまざまな利点に変えるような形でご検討いただければありがたいと思います。
教育長からご答弁いただきました。私はこういうふうに思います。実は10年ほど前から、このジオを使った活動をしております。地層のはぎ取りであるとか、大室山周辺のフィールドワークであるとか、子供たちと一緒にやったりしているわけですよね。そういう中で、今現在、こういう形で進んできたということが大変うれしくも思っているわけです。ぜひともこれを郷土を知るという形の中で……。
○議長(土屋進 君)以上で14番 西島 彰君の一般質問を終わります。
10分間ほど休憩いたします。
午前11時 2分休憩
───────────
午前11時11分再開
○議長(土屋進 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、15番 四宮和彦君の一般質問を許します。
〔15番 四宮和彦君登壇、拍手〕
◆15番(四宮和彦 君)おはようございます。民主党・刷新の会の四宮和彦です。通告に従い、ただいまより一般質問を行わせていただきます。
1つ目の質問として、東日本大震災被災地の瓦れき受け入れ処理について、伊東市としての考え方を伺います。なお、この第1の質問につきましては、既に鳥居康子議員、杉本一彦議員が代表質問において取り上げられ、市長から一定の答弁もなされておりますが、この問題に対する私なりの視点もありますので、重複する点については、あらかじめご容赦いただき、このまま質問を進めさせていただきたいと思います。
それでは、本題に入らせていただきます。平成23年3月11日の東日本大震災発生から、間もなく1年になろうとしています。津波の直接被害を受けた東北地方太平洋沿岸部の市町村においては、いまだに災害廃棄物の処理が進まず、各地の仮置き場には廃材等の大量の瓦れきが放置されたままとなっており、こうした災害廃棄物処理のおくれが復興の足かせとなっていることは、日々の報道等を通じて国民のだれもが認識しているところと思います。東日本大震災により発生した廃棄物は、2月14日現在、環境省の発表によれば、岩手県で約475万5,000t、宮城県で約1,569万1,000t、福島県208万2,000tであり、3県での合計は2,252万8,000tに達し、阪神・淡路大震災時に発生した災害廃棄物量1,430万tのおよそ1.6倍に上ると言われています。この廃棄物量は、岩手県で通常処理の11年分、宮城県で通常処理の約19年分に相当すると言われており、それぞれ県内に仮設焼却炉を設けるなどして処理に当たっているとはいえ、とても市町が単独で処理し切れる量でないことは明白です。
こうした事態を受け、静岡県においては、平成23年4月に環境省が実施した東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理体制の構築に関する調査の結果及び10月の災害廃棄物の広域処理推進会議の開催を受けて、同月、静岡県における4月時点での廃棄物受け入れ余力6万tの1%相当量である600tを県の支援目標として働きかけたいとの趣旨を発表し、震災発生直後から静岡県が支援を行ってきた岩手県大槌、山田両町の災害廃棄物の受け入れについて、川勝平太知事が5市長に打診を行ったとされています。
これに対し、翌月11月10日には静岡県市長会及び町村会は「がれきの受入れに係る共同声明」を発表、瓦れきの安全性の確認、住民の不安の払拭、議会の理解が前提と3つの条件を付して受け入れに関して慎重な姿勢を取る一方で、この声明からわずか3日後の11月13日に島田市の桜井勝郎市長が、地元島田市の自治会長連合会において瓦れき受け入れの姿勢を示したことから、島田市及び周辺市町を中心に県内で瓦れき受け入れ反対運動が起きる事態となりました。
こうした経緯も踏まえた上で、静岡県は同月、東日本大震災の災害廃棄物処理に関する要望書を環境大臣に提出し、翌12月には東日本大震災に係る災害廃棄物の広域処理説明会を開催、細野豪志環境大臣が静岡県市長会において災害廃棄物の広域処理の説明を行うも、反対運動は終息せず、2月、島田市は半ば反対を押し切る形で廃棄物の試験焼却を決定し、2月16日、岩手県山田町からの災害廃棄物10tの試験焼却を行ったのがつい先日の話です。
このように、震災被災地の瓦れき処理については、阪神・淡路大震災の教訓からも、被災地の復興において真っ先に取りかからねばならない事業であることは、日本国民全体が共通認識として持っているはずである一方、朝日新聞の調査によれば、「廃棄物の受け入れを行っている自治体が存在する」のは、被災3県を除く44都道府県中わずかに4都県、受け入れを「具体的に検討している自治体がある」とするのも7府県にすぎず、兵庫県より西では全県が「具体的に検討している自治体がない」と回答しており、29道県が受け入れについては「未検討」のままとなっていると報道されています。この数字からも、廃棄物の広域処理が一向に進まないでいることは明らかです。これは、国政の混乱が大いに影響しているとはいえ、廃棄物の受け入れ余力を持つ自治体側が、主として放射性物質の拡散を不安視する市民感情に配慮して慎重な姿勢をとり続けていることが最大の理由になっていることは間違いないと思います。
では、その不安要素である放射性物質の拡散の危険性は現実のものなのでしょうか。瓦れき受け入れについて先行する青森県、山形県、東京都、そして今回試験焼却に踏み切った島田市の調査データを見る限り、広域処理される瓦れきの放射性物質濃度、放射線量自体は極めて低く、自然放射線量を超えるものではありません。逆に受け入れ側となっている東京都や静岡県のほうが空間放射線量自体は高いという見方もできる程度のデータとなっています。
一例を挙げると、静岡県が瓦れきの広域処理支援を表明している岩手県大槌町、山田町の放射性物質濃度は、瓦れき仮置き場での数値で、大槌町においては、セシウム134、137ともに検出下限値である2ベクレル/kg未満であり、測定上不検出、島田市が試験焼却を開始した山田町については、セシウム134が5.21から5.36ベクレル/s、137が6.66から8.01ベクレル/sとなっていますが、セシウム134、137の合計量では12.0から13.2ベクレル/sとなっています。これに対して伊東市の場合、瓦れき仮置き場に相当するようなごみ集積場等の調査データがないため、同条件での直接比較はできませんが、平成23年10月18日に行われた市内での土壌調査データでいえば、セシウム134が8から42ベクレル/s、137が12から62ベクレル/sであり、セシウム合計量としては23から104ベクレル/sの幅で5つの検査地点から計測されています。また、空間放射線量の比較でいえば、大槌町、山田町の廃棄物仮置き場で0.07から0・08マイクロシーベルト/h、木材破砕チップで0.06から0.07マイクロシーベルト/hであるのに対し、伊東市の空間線量は地表1mの計測で最低0.028、最大で0.101マイクロシーベルト/hと幅がありますが、平均すると地表1mで0.06、地表1pで0.07マイクロシーベルト/hであり、市内ではおよそ0.06から0.07マイクロシーベルト/hの放射線量であると言われます。比較する検査地点が、片や瓦れきの仮置き場、片や公園や公共施設等ですから、その性質が全く異なると思われますが、大槌町や山田町の集積された廃棄物の放射性物質濃度や放射線量は伊東市の平均的生活空間における放射性物質濃度や放射線量と全く変わらないレベル、もしくは低いレベルにあると結論づけられると言えます。実際、放射能汚染が深刻な福島第一原発からの直線距離でいうと、山田町役場までは241.4q、新宿区の東京都庁までの距離でいうと227qであり、岩手県は放射能の危険性からいえば首都圏と同等のエリアにあり、さらに原発事故当日の風向きは北風であり、シミュレーションでは首都圏よりも放射性物質降下量は同等か、逆に少なかったとされています。以上のような放射性物質濃度、空間放射線量であることは地理的にも気象条件的にも十分納得いくものであると言えます。
このように、岩手県の災害廃棄物を受け入れることについては、客観的調査データを総合的に見て、安全性においてとりたてて問題となることは見当たらないにもかかわらず、広域処理に全国各自治体が明確かつ客観的な反対根拠なく受け入れを拒否、または消極的態度をとっていることは、東日本大震災被災地支援のキーワードである「絆」という言葉とはかけ離れたものであり、そこにエゴや偽善、場合によっては悪意すら感じると言ったら言い過ぎでしょうか。
上位団体である静岡県は、既に岩手県からの災害廃棄物受け入れの意思を表明しています。あとは伊東市を含む廃棄物の受け入れ余力を持つ各市町の判断にゆだねられていると言っていいでしょう。そして、さきに触れたとおり、静岡県市長会、町村会においては、瓦れきの安全性の確認、住民の不安の払拭、議会の理解が前提と条件を付しているわけですが、これら条件がクリアされれば受け入れると解釈できる共同声明を11月に発表後、2月6日、改めて試験焼却に向けた手続に入ることで合意するも、受け入れ余力のない市町は別として、ほかは、最終処分場がない、風評被害が心配といった理由で消極的な市町が大半である現状は、その後も大きく変わっていないと思われます。
その後、28日になって静岡市、浜松市が島田市に続いて試験焼却の意向を発表するも、共同声明に書かれている条件をクリアするための行動は必ずしも明確になっているとは思えません。瓦れきの安全性については、現地及び島田市の調査データがあり、もしこのデータの信頼性を疑うのであれば、島田市のように受け入れ自治体側で積極的に調査を行うべきだろうと思います。島田市においては、行政職員や議員だけでなく、2月26、27日の両日、島田市自治会長連合会主催で、市内の自治会長40人が岩手県山田町、大槌町を訪れ、被災瓦れき処理の方法や放射線量、被災の状況などについて視察を行っています。この視察を通じて、自治会長連合会会長は、「自分たちの目で確かめたいと視察した。膨大な瓦れきを目にして支援の思いを強くした」と語り、また、ごみ処理施設田代環境プラザのある伊太区自治会会長は、「被災した町を見て涙が出た。放射線量は島田と変わらず心配ない。住民に現状を正直に話し復旧・復興のために協力したい」と述べています。伊東に当てはめれば、行政区の区長さんたちのような行政協力委員に相当する方々が地域住民を代表して、積極的にこうした活動を行い、専門用語を散りばめて、まことしやかに流布されるデマに踊らされることなく、みずからの判断で市の方針を検証しようと行動していることは、まさに住民自治の手本とも言うべきであり、特筆に値することと思います。
新聞やテレビ報道のほか、インターネットで拡散される情報などを見ていると、島田市においては、当初、市民の大多数が受け入れに反対しているかのような印象を受けましたが、実際には、住民意識はどちらかといえばこれと反対の方向にあるように思われます。これは私の主観的な感想かもしれませんが、例えば伊東市で玖須美区や岡区等の行政区の区長さんが、区民の大半が明確に反対意思を表明しているような行政上の事案について、区長自身の個人的な思い入れや利害だけで、住民に現状を正直に話し復旧・復興のために協力したいなどと、区民からの大反発を覚悟で積極的に発言するようなリスクを負うことができるでしょうか。住民意思に反した発言であると考えるより、自治会長さんたちが住民の意思を代弁しているから言えることではないかと私には思えます。島田市では、反対署名1,900に対して、賛成署名は1,000にすぎないじゃないかと言う人がいます。しかし、市が既に進めようとしている事業について、それを阻止したい反対派は積極的に署名するでしょうが、賛成派が積極的に署名運動をすることは普通ありません。それにもかかわらず、逆に1,000名も賛成署名が集まるのは、ツイッターやSNS等のネット情報を見て、市外のどこからともなく入り込み、各地でアジテーションを行ったり、島田市のみならず、岩手県の市町の代表番号をネット上に公開し、全国各地から長時間かつ大量の抗議電話をかけたり、大量のメールを送信したりすることで、市町の業務を妨害するなどの理不尽な行動を反対派がとったために、地元住民の共感を呼ぶどころか、逆にその異常性が露呈され、そこに危機感を覚える人たちをふやしているからだと思われます。現在県内のみならず全国で起きている一連の反対運動は、こうした当該地域の外から入り込んでくる人たちが多く、予備知識を持たない地域住民に対する扇動行為を通じて騒動を巻き起こしている節があります。こうした反対運動に参加している人たちの心理について、精神分析医の香山リカが的確な分析を行っていますが、本題ではありませんので、ここでは触れません。
いずれにしても、このような形での反対運動の進め方は、まさに住民の自治権に対する侵害行為であり、大量の電話やメールによる抗議活動はサイバーテロに等しく、こうした不法行為を黙認していてはならないと考えます。
誤解があるといけませんので、申し上げますが、災害廃棄物の広域処理については賛否両論あることは当然だと思いますし、反対論があるからこそ、さまざまな危険性について詳細かつ慎重に検討が行われるとも言えるわけで、その意味で、反対論や反対運動は非常に重要な役割を本来果たすものだと思います。しかし、反対のために情報を捏造したり、デマをばらまいたりする行為は許されるべきものではなく、そうしたでたらめな反対論は賛成論の歯どめになるどころか、暴走の手助けをすることになりかねません。私にしても、放射性廃棄物を受け入れろなどと乱暴なことを言うつもりは全くありません。しかし、地震や津波によって発生した災害廃棄物のすべてが放射性廃棄物であるかのように、いつしか錯覚させられている現状に大きな危機感を持つがゆえに、あえてこうした問題提起をしている次第です。ここに現在の災害廃棄物広域処理が遅々として進まない本質的な問題があると思います。つまり、瓦れきの広域処理は、福島第一原発の放射性廃棄物または汚染瓦れきの広域処理なのか、それとも東日本大震災の地震、津波による被災瓦れきの広域処理なのか、この根本的な認識の違いこそが問題だと思います。
県市長会の付した条件である瓦れきの安全性の確認。ただソースも明らかでない情報に踊らされ、議論を重ねてみても事態は何も進みません。国も岩手県も山田町も大槌町も安全だと言っています。あとは島田市のように独自基準で調査を行い、情報の信頼度を高めることが受け入れ側に求められます。現状のままで、仮に伊東市が受け入れの意向を発表すれば、名前が挙がっただけで島田市で起きたことが改めて繰り返される危険性は高いと思われます。そうならないための準備が各市町には必要だと考えます。
住民の不安の払拭。住民に対しての説明等は受け入れを表明してから行うということかもしれませんが、市長会において試験焼却に向けた合意をした以上は、説明責任を国や県に全面的にゆだねるのでなく、試験焼却に至るまでの過程において積極的に情報を収集し、受け入れ決定前から情報を公開し、住民説明を市町が行っていくべきだと思います。そうすることで、今ちまたに垂れ流されているデマを極力抑えることができ、市民が冷静に判断する状況がつくられると思いますし、ひいては、その後の風評被害を防止することになります。伊東市においては、瓦れきの安全性を確認し、さらに、それを環境美化センターの能力において焼却した場合にどうなるのかのデータ等もそろえ、それを市民に正確に説明していくことが、瓦れき受け入れに至るまでに必要な準備になると思います。
市長会、町村会の共同声明は、受け入れをするにせよ、しないにせよ、その意思決定の判断材料となる行動がなければ意味をなしません。受け入れ条件として付した内容について検証する行動がいつまでもとられることがないのであれば、私たちは何もしませんということを国や県、あるいは住民や議会に責任転嫁して、くさいものにふたをするに等しく、事なかれ主義と言われても仕方がないと思われます。
「かんばろう日本」、「絆」といった美辞麗句は何だったのでしょう。水素爆発を起こした福島第一原発の敷地内の瓦れきを受け入れようというのではありません。福島県内の災害廃棄物については、会津地方等、福島県西部地域を除いて広域処理の対象にすることはなく、県内処理の国の方針が示されており、関係団体との調整を行っているところです。こうした放射能汚染レベルの高い地域の瓦れきをやみくもに広域処理することは論外です。しかし、放射能汚染レベルが極めて低いかほとんど検出されないとされる岩手県山田町、大槌町の災害廃棄物の広域処理に、東北の瓦れきであるという理由のみをもって反対し、被災地に対して傍観者の態度をとり続けるなどという幼稚な対応をしてはならないと思います。
受け入れ反対運動を行う人たちが主張するような放射性物質拡散の危険性が万一あるならば、そうした危険性を低減しつつ、瓦れき処理をいかに行うべきかに知恵を絞ることが本来すべきことであり、実際にはありもしない危険をあたかも目の前にある危険であるかのように捏造し、被災地の人々の助けを拒絶するなどというのは鬼畜の所業に等しく、私は賛同することはできません。
そこで伺います。東日本大震災被災地の瓦れき受け入れ処理について、伊東市はどのように考えますか、そしてどう行動すべきと考えますか。市長は、鳥居議員、杉本議員の代表質問に対して、静岡県が瓦れきの処理量、安全な処理方法等の詳細についての処理計画を作成することが受け入れの条件であると答弁されています。現在そのシステムの作成を県に求めているとのことですが、この点の進捗について、わかることがあれば、あわせてお答えいただきたいと思います。なお、この質問につきましては冒頭に述べましたとおりですので、追加のご答弁がない限り、重複部分についてはご省略いただいて結構です。詳細は第2質問に譲らせていただきます。
第1の質問は以上です。2点目の質問に移ります。
2点目として、伊東市議会のインターネット中継について、伊東市の考えを伺います。平成17年3月に策定され、その後数回の改定を経ながら23年度までを定めた伊東市行財政改革大綱には、市議会本会議のインターネット中継について、平成23年7月実施と明記されています。そして、市議会においても議会改革特別委員会において、平成22年2月1日より協議、検討を重ね、最終的に、実施すべしとの結論に至り、その実施方法、経費等の詳細について具体的な報告を行い、平成23年3月定例会において本会議の承認も経ております。
このように、伊東市行財政改革大綱において明記され、議会においても、実施すべしとの結論、具体的な実施方法についても報告が行われており、まさに行政当局と議会の意思が完全に一致しているにもかかわらず、その後、事業計画が立案されることもなく、平成24年度になっても予算化される様子がないというのは理解に苦しむところです。
伊東市議会については、ケーブルテレビを通じてライブ放映がなされるなど、全国的に見ても一面で先進的で開かれた議会になっていると言えます。インターネット中継について、こうしたテレビ放映との競合等を懸念して慎重になる意見もあり、ケーブルテレビ局、番組制作会社に放映の委託料を支払っていないのに、インターネット中継を予算化して、プロバイダーやシステム開発会社に使用料を支払うのはおかしいといったことが言われたりしますが、これは、テレビとインターネットとのメディアの質的な違いを理解しない暴論と言っていいでしょう。
現在行われているテレビ放映は、市議会が委託して行う広報事業では全くありません。それは、あくまで報道です。報道機関が自治体から料金を取って番組をつくるとすれば、それは単なる広告であって、自治体側、あるいは議会側にとって都合のいい情報だけを流すテレビコマーシャルになるだけであって、情報の信頼性は、それだけで簡単に損なわれ、報道機関としては自殺行為です。テレビ放映が報道である以上、市側がテレビ局、番組制作会社に対して金銭的利益を供与することは報道の中立性を侵す行為であり、また、報道機関側も金銭の供与を求めることは筋違いであると言えます。
一方で、インターネット中継は、そのコンテンツは議会側で制作するものであり、プロバイダーやシステム制作会社は技術提供会社にすぎず、中継の本質は議会の広報宣伝活動にあります。使用料を支払うことは当然であると言え、テレビ放映とインターネット中継の本質的な違いは、この報道であるか、広報であるかというところにあります。
また、そのメディアのシステム上の違いにも注目すべきでしょう。テレビは受動的なメディアです。テレビ局側が決めた時間に局側が選択した内容を一方的に流すだけのものです。興味があっても、視聴者はテレビ局側の都合に合わせて見るしかなく、また、情報を選択することもできません。一方で、インターネット中継はオンデマンドであり、ライブで視聴するだけでなく、必要なとき必要な映像を事後に取り出して視聴することができ、視聴者側の意思に合わせた情報選択ができる点で大きくテレビと異なります。
さらに言うと、現状のテレビ放映においては、その対象が代表質問と一般質問のみとなっていますが、議会改革特別委員会では、これに加えて本会議での議案審議、委員会審議も今後インターネット中継の対象とすることを報告としてまとめており、内容面ではるかに充実したものとし、テレビ放映との差別化も明確にしています。
議会のインターネット中継は、ただ単に議会の映像をネット配信することを最終目的とするものではありません。現在、さまざまな分野で情報のデジタル化が進んでいるにもかかわらず、行政や議会といった、本来最も市民にとって身近であらねばならない分野でIT技術導入がおくれていることを放置すべきではないと思います。議会のインターネット中継の実現は、そうした情報技術面における議会のおくれを取り戻すための初めの一歩にすぎないと考えます。
例えば、現在議会棟においては、事務局、議員控室ともに無線LAN環境下でネットワーク接続が可能になっていますが、本会議場はそもそもPCやスマートフォンの持ち込みを想定しておらず、ネットワーク環境がありません。しかし、議会のインターネット中継設備を整備すれば、本会議場に無線LAN環境を構築することは容易なことです。そうなれば、今の議会風景は一変することでしょう。現在、本会議、委員会ともに、議員、当局ともにふろしき包みで議案書、議案参考書等、大量の資料を持ち歩きながら質問及び答弁に当たるわけですが、資料をPDFファイル等に電子化することにより、600g程度のタブレットPC1台に情報を集約することができ、資料を携帯する上での利便性が向上するにとどまらず、情報検索の効率も大幅に向上し、本来の議案審議に資するところはかなり大きいと言えましょう。また、従来かかっていた資料の印刷製本にかかる経費もゼロとなり、さらに、その保管のためのスペースも不要となるわけですから、初期の設備投資額は一定程度かかるにしても、そのコスト削減効果及び事務の効率化を考えれば、十分に価値ある投資と言えるのではないでしょうか。
インターネット中継と議会のネットワーク環境整備が同時に行われれば、そこからさらにさまざまな利用方法を考えることができます。例えば、議案書、議案参考書ファイルに市議会ホームページ上からアクセスして、資料を参照しつつインターネット議会中継を視聴するなどということも可能になりますし、我々議員も、部長さんたちが、ひたすら早口でまくし立てるかと思いきや、時に単調な経文のようで我々議員を睡魔に陥れる議案説明も、適宜インターネットにアクセスして確認することで質問準備の質を高めることができます。こうした本会議での内容が逐一データとして収録され、議案参考書とともに市民が直接精査できるようになれば、当局側、議員側双方に大きな緊張感をもたらすことになり、議会の活性化に益することになろうかと思います。
このように、議会のインターネット中継とは、単なるテレビ中継の置きかえなどではなく、議会改革のかなめとなる重要な事業であると私は考えており、ますます平成24年度での事業化が見送られたことを残念に思う次第です。
そこで、最後の質問となりますが、伊東市議会のインターネット中継について、伊東市の考えを伺います。
以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔市長 佃 弘巳君登壇〕
◎市長(佃弘巳 君)15番 四宮議員にお答えをいたします。
初めに、東日本大震災被災地の瓦れき受け入れ処理についての考えであります。東日本大震災による地震、津波などの被害で膨大な量の災害廃棄物が発生したために、国や県から全国の焼却施設を持つ自治体に対して災害廃棄物の広域処理の要請がされたところであります。ただいま質問のとおり、災害廃棄物の受け入れに当たっては、静岡県から、市町の実情に応じた試験焼却に係る県全体の計画が、この3月末を目途に示される予定であります。また、先行する島田市での試験焼却の結果を踏まえる中で、空間線量率や焼却灰の濃度、排ガスの濃度などの放射性物質に対する安全性を確認して、市民の理解を得た上で、現施設の処理余力や更新改良整備の状況等から、本市の受け入れ体制を判断してまいりたいと考えております。
また、受け入れが可能となった場合の試験焼却の時期の見込みにつきましては、島田市の試験焼却の結果が3月24日に公表される予定であり、さらに県が取りまとめる全体計画が3月末に示されることになるので、それらを踏まえて判断をしてまいりたいと考えております。
次に、市議会のインターネット中継に対する考えについてであります。インターネット中継につきましては、有意義な施策の一つであると認識はしております。しかしながら、議会改革特別委員会から報告された内容において、初期経費、継続的経費と視聴者数などを勘案した場合、先進都市の共通課題となっておる中継にかかる費用対効果が懸念もされて、放映システムや既存のケーブルテレビに対する費用負担との整合性も含め、さらなる調査研究が必要ではないかと考えておるわけであります。
その中で、四宮議員のほうからも、テレビとインターネットは違うというような明言もされておるわけでありますが、私にいたしますと、最少の経費で最大の効果を得られる方法でのインターネット中継を提案していただく中で、私といたしましても、市民の信頼にしっかりとこたえるよう取り組んでまいる所存であります。以上です。
◆15番(四宮和彦 君)ご答弁ありがとうございます。今のお話ですと、3月末の県の発表を待って、伊東市のほうも試験焼却のほうは、そこからその内容に従って行っていく意向であるというふうに考えていいのかなと思います。この島田市の試験焼却データが3月24日に取りまとめられるということですけれども、それはすべて、最終的な埋め立ても含めてのことなのかなと思いますが、とりあえず焼却の飛灰だとか主灰だとかについてはデータがある程度もう出てきていると思うんですけれども、データの共有の仕方というのは、県内の市町でどういう感じになっているんですかね。逐次なのか、あるいは全部まとめてから正式な報告という形になっていくんでしょうか。その辺のデータの共有の仕方だとかについてお答えいただきたいと思います。
◎市長(佃弘巳 君)まだデータの共有というところまで行っていないで、島田市の場合には市の最終処分場がある、また、静岡市と浜松市にもあるということで、自分たちの処理場で最終の処理はできるということで進めておるわけであります。ですから、最終処分場のないところは最終処分場の基準が今、8,000ベクレルの量になっておりますので、そこらを国のほうに、はっきり8,000ベクレルでいいかどうかというのを示してあげていただきたいということも、今要請をしておるわけであります。そういう中で、各市町によって焼却能力とか、最終処分場へと搬入するルートとか、また、600tを焼却しようということになっておりますので、どこで何トン焼却しようかとかというのは、県のほうがある程度調整をしなければならない。3月24日に島田市のほうからデータが出次第、そのデータは各市町に逐一報告をする中で、県とも協議をしていこうということで、県のほうも担当が現場を見て、伊東市にも来て、どのぐらいの焼却施設か、また能力か、そういうものも県のほうが出向いてこれからやっていくということで今進んでおるわけであります。
◆15番(四宮和彦 君)ちょっと根本的なところをお尋ねしたいと思うんですけれども、代表質問の中でも一部市長のほうから、東北だからといって3県ごっちゃにするんじゃないぐらいのご答弁がありましたけれども、市長の認識としては、今、県が受け入れようとしている山田町とか大槌町の瓦れきというものは、例えば先ほど私も壇上でも言いましたけど、放射性廃棄物の受け入れに当たるようなものと考えるのか、あるいは地震や津波で倒壊してしまった瓦れきの受け入れ――当然、放射性物質が全国に拡散しているのは確かですから、ある程度の放射性物質がそこにも行っているであろうことは想定できるんですけれども、根本的な原則論として、この廃棄物は一体何であるというふうに、要するに放射性物質なのか、あるいは一般的な被災瓦れきというふうな認識であるのか、その辺のところはどういうふうにお考えですか。
◎市長(佃弘巳 君)それは3県ごっちゃに物事を考えるのではなくて、一つ一つ考えて、また、その場所、その場所によって個々に考えていかなければならないというふうに考えておりますし、大槌町と山田町においては、私は災害廃棄物だというふうに認識をしております。
◆15番(四宮和彦 君)ありがとうございます。私も基本的には認識はそういうところは同じで、福島の沿岸部で原発の、いわゆるオンサイトと言われる地域、半径数q圏内にあるような、10q圏まで規制があるわけですけれども、そういう非常に高レベルの放射性物質が堆積したであろうと思われている地域と、先ほど申し上げたように240q、福島原発から離れていて、しかも、当時は、いわゆるSPEEDIとかのシミュレーションを見る限りにおいては、放射性物質は、北風で南東方向にほとんどが海へ流れていっているわけですよね。そういう中で、例えば岩手県の山田町、それから大槌町というところの瓦れきを単純に、東北だからという中で言われてしまうようなその風潮というのは非常に危険だなというふうに思うわけですね。やはりそういうことを、ただ単純に考えると、皆さんやっぱり東日本大震災イコール福島原発事故というようなところでイコールで結びついちゃっているところがあるので、どこにあろうがみんな一緒くただという感じで考えちゃっている人たちが多いだろうと思うんです。やはり市民に対する説明ですとか、そういうものは、そのあたりをきちっと、我々がもし受け入れるんだとした場合、ここの受け入れ先のものはこういうものなんだよということをしっかりとデータとして提示していくということが必要だろうと思う。そのためには、やはり準備期間というものが本当に必要になってくるだろうと思うんですね。
試験焼却も含めて、県の計画書ができてからというお話だったんですけれども、例えば、受け入れに県が主導したシステムをつくることが必要だとしても、それは試験焼却というものとは、また、本格的な受け入れとは次元が違う部分、段階が違う、ステップが違うと思うんですね。特に試験焼却についても、県が主導して試験焼却に至るシステムをつくるのを待っているんだという話になっちゃうとすると、島田市と静岡市や浜松市はどういう仮定でそれを決定したのかという部分で、ちょっと整合性がとれないかなという気もするんですけれども、その辺のところは、試験焼却というものについても県のガイドライン的なものがやっぱり必要になってくるというふうにお考えですか。
◎市長(佃弘巳 君)試験焼却は1カ所だけでやってしまうよりも、2カ所、3カ所でそういう試験焼却をやったほうが、より正確なデータもとれるということと、そこの市で自分たちの最終処分場を持っているということの2つの条件の中で助け合ってやっていこうということで、600tであるわけでありますので、そこらがどこの市町がどれだけ受け入れができるかという中で、仮に伊豆市なんかは焼却施設が老朽化しているもので、他市から受け入れするのはちょっと難しいというようなものも出てくるわけでありますので、そこらをこれから県と市長会では調整をしながら、できるところはどんどんやるような、また、無理なところは、参加をしないというわけにはいきませんので、そこらは1t燃やすとか、そういう調整というのは、これからやっていかなきゃならないということで、県のほうが、今そこらを煮詰めて、現場を見てしっかりとやっていこうということで進んでいるわけであります。
◆15番(四宮和彦 君)ほかの市町村と足並みをそろえてというところなのかなと思いますけれども、仮にそういうほかのところと複数自治体で一緒にやりましょうと。確かに効率的なことを考えたらば、伊東市の受け入れが、先日のご答弁ですと1日当たり4tから5tで、週当たりですと20tぐらいまで、マージンをかなり大きく見てのことなんだろうと思うんですけれども、そうだとすると、毎日毎日4t、5tずつ運んでくるなんていう非効率的なことは現実問題として非常にあり得ないだろうと思いますので、複数の隣接自治体と合わせて輸送してくるのかという方法が最終的にはとられるのかもしれない。試験焼却に至っても、そういうテストも含めてやっていく必要があるのかなとは思います。
ただ、仮にそういう条件がそろったとして、伊東市で試験焼却を行う場合なんですけれども、例えば、廃棄物の受け入れ前と受け入れ後での放射性物質濃度や放射線量の比較ができないと意味がないと思うんですね。受け入れる前はこうだった、受け入れたらこうなったというのがないと、それが変わるものなのか、変わらないものなのか。変わらないというものにならないと、やっぱり市民も不安なものになってくるだろうと思うんですけれども、そうだとすると、現状で伊東市の環境美化センターの焼却能力とか、有害物質、放射性物質の集じん能力とか、こういったデータについては、やっぱり直近で取得しておく必要があるだろうと思うんですね。現状ですと10月18日に調査が行われた。データがホームページ上に掲載されていますけれども、ただ、あれも結局、飛灰、主灰等の焼却した灰についてのデータということになっていて、先日、杉本議員が質問したように、ばい煙からはどうなんだと。確かに現状の仕様でいえばダイオキシン類なんかの化学物質は電気集じん機で十分冷却した上で集じんしているということでほとんど、バグフィルターほどではないにしても、99.何%という割合でちゃんと集じんはしているということだったわけですけれども、そういったさまざまな、現状での受け入れをした場合の環境美化センターでの能力的なデータの蓄積とかというのが必要だろうと思うんで、それは、ある意味でいえば試験焼却云々という伊東市側の前準備としてできることじゃないかと思いますけど、そのあたりについてはやるお考えはありませんですか。
◎市長(佃弘巳 君)それをどのようにやるかというようなものは、やる前、やったとき、これはもう比べていかなきゃなりませんので、やるというときになったら、それはもうすぐに、今現状どういうふうになっているかというものは試験的にやっていかなければなりません。ただ、今言われたように600tのやつを毎日4tずつ持ってこられたら、これは費用対効果も低いし、途中で中間的に分散をしなきゃならないというようなものもありますので、そういう輸送ルート、それとあと受け入れるところの能力、そういうものをしっかりとデータをつくった中で、きょう行く荷物が20tだと、じゃあこれは限られたところで処理しようとか、また、細かく来るときには伊東のほうが4tいきましょうかとかということでの机上の計算は簡単にできるわけです。でも、実際にやるということになったら、それは大変な労力、その調整というのは県がやっていかなければならないというふうに私は考えておりますので、やるということになれば、すぐにそういうものは調査等やっていかなければならないというふうに思っております。
◆15番(四宮和彦 君)確かに試験焼却を実際にやるとしたらば、その直前で比較データをとっておくことが必要だろうと思いますから、それは受け入れがどのタイミングになるのかというのは、ある程度めどが立ってからじゃないとできないだろうという部分はあるだろうと思うんですね。ただ、じゃあそのテストをやるに当たって、例えばばい煙から有害物質が気化したものが排出されるかどうかというのを調査するというのは、技術的に今の美化センターのほう側でできるものなのかどうかというところですね。どういう方法があるのか、その辺のところは調査方法だとかがあるのかどうかということをちょっとお聞かせいただきたいんですけど。
◎市民部長兼危機管理監(鳥澤秀壱 君)本市の場合、電気集じん機というもので、その処理をしておるわけでございます。その辺のところで、国等に言わせますと、99.数%、その辺のところは除去できるだろうということになっております。そういうことから考えまして、通常の検査をしながらやっていくということがいいのかなというふうに思っております。以上でございます。
◆15番(四宮和彦 君)代表質問等で指摘されていた不安要素の部分なんだろうと思うんですけれども、要は金属類が気化したものがフィルターで除去できるのか否かというところなんだろうと思うんですね。理屈の上で言えば、焼却炉というのはダイオキシン類の対応があるんで、高温で焼却して分解した後に、再合成を防ぐために一気に冷却する。伊東市の場合ですと大体200度近くまで冷却しちゃうということですから、そこまで冷却した後、要はガスの排出をするんだ、焼却の排出をするんだということになれば、恐らくセシウムだとか鉛類だとかの沸点は非常に低いわけですけれども、200度まで冷却しちゃえば気体のままで存在することはまずないだろうと。あとは、当然ほとんどの場合、セシウムというのは反応性が強い物質ですから、単体で存在することはまずない。塩化物になっていたりだとかという形で化合物として存在していますから、気化温度自体も単体で存在しているものよりもはるかに高い温度であるということはわかっている。ただ、わかっているというのは理屈の上での問題ですから、実際に出ているのかいないのかということを、やっぱり市民の感覚としてみれば知りたいんだろうなと思うんですよね。だから、やっぱりそういうものをやるんだとすると、例えば、さっきテストをするのには時間的なスパンとして考えれば、試験焼却の直前がふさわしいだろうと。それが決定してから準備をすればよろしいと。ただ、テスト方法そのもの、特に集じん機そのもののフィルター性能だとかというのは現状のものでも十分わかっているでしょうから、実際に、これも微妙なんですけれども、インプットとアウトプットの量的な比較でしかないわけですから、インプット量が非常に多ければ排出されている量のパーセンテージは低くなるなと。焼却しているインプット量が少なければ、そこで引っかかってきた分量、要するに分子がでかくなってしまうわけですから、濃度が随分高くなっちゃうぞということもあるんだろうと思うんですけれども、ある程度その辺のところについては検査の方法も確立されているだろうと思います。ただ、ばい煙に関しては、やっぱり煙突からどうやってサンプルをとるんだとかというのは、まだまだ十分に方法論が確立されていない部分があるんじゃないかと思いますので、そういうものは県の決定を待つ前に、どういう方法があるのかというのは担当部署において研究しておくべきだろうと思いますけど、その辺については市長としてお考えはどうでしょうか。
◎市長(佃弘巳 君)煙突でも途中で煙突のばい煙を試験的にとることはできますので、それはやるということになれば、すぐに実行には移していかなきゃならないというふうに思っております。
◆15番(四宮和彦 君)ぜひそれは早い段階で、特に受け入れをする、しないにかかわらず、現状、伊東市の場合、要は廃棄物からセシウムは検出されているわけですから、それが果たして出ているのか、出ていないのかというのは市民にとっても非常に重大な関心事になるだろうと思いますので、テストのほうはぜひやっていただきたいと思います。
あと、もう一点ですけど、最終処分場のことについてですけども、県が確保することというのは市長としては受け入れ条件の一つとして非常に強調されていたようなんですけれども、一方で、伊東市は現在可燃ごみについては、全量溶融固化しちゃっていて、埋め立てに回っているものはないですよね。要するに、不燃物の埋め立てが御石ヶ沢のほうにあるだけであって、焼却ごみに関しては全量が栃木県の小山市のほうへ行ってリサイクルのほうに回るという手続をとっているだろうと思うんですね。だから、単純に受け入れごみの量にもよるだろうと思いますけれども、ごみの性質にもよるだろうとは思うんですけども、先ほど、放射性物質が非常に大量に検出されるもの、ただ、現実には多量に検出されたら向こうから運んでこないわけですから、伊東市に受け入れるという段階では、放射性物質は全く問題のないレベルのものを受け入れる話になってくるだろうと思うんですよ。だとすれば、今現在、伊東市のほう側は、そのまま全量を溶融固化で回しちゃっているわけですから、伊東市で焼却するごみについては最終処分場を確保する必要がないんじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺、最終処分場という条件を重視される理由はどういうところにあるでしょうか。
◎市長(佃弘巳 君)これは受け入れ先のほうで、今国が示しておる8,000ベクレル、これをそのままずっとやってくれるかどうかという大変不安な要素があるわけです。ですから、それを環境省のほうにそのままでいいですかと言っても返事が来ていない。万が一それがだめだということになったら、その最終処分場が今後使えなくなってしまうおそれがあるということで、そこらも国のほうに対して、伊東の場合には栃木県小山市へ持っていっているわけでありますので、各最終処分場に対して、国の放射能に対する指針をしっかりと示していただきたい。そうでないと受け入れ先のほうが今の状況の中では拒否というか、危険だということで、今とまっておる状況があると。だから、そこらを国のほうが基準を早く示していただきたいということで、今要請をしておるわけであります。
◆15番(四宮和彦 君)おっしゃることはわかるような気もするんですけれども、要は現実の問題として、焼却した結果、8,000ベクレルを超える放射性物質が最終処分場に回る可能性があると、それは問題だという話なわけじゃないですか。今の流れというのは、島田市が今回試験的にやった流れで言えば、まず山田町でチェックをして放射性物質検査をやり、放射線量をはかり、問題ないよということで、輸送中にも検査をして問題ないよ、到着して、また検査をして、問題ないよといって、それから燃やしているわけですよね。ということは、放射性物質量が焼却後に8,000ベクレル以上にならないという計算のもとにやっているわけじゃないですか。だとしたらば、最終処分場の問題は、今、市長がおっしゃるような事態は起きないんじゃないかなと僕は思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
◎市長(佃弘巳 君)8,000ベクレルが一番問題になっているわけ。今、放射能は考えられないところでも出ているわけですよね。そこによって万が一それがなったときに、今度はそこの最終処分場が全面的に使えなくなってしまうということであります。ですから、今、島田市がやっているのは、自分のところで処理ができる、置くことができるということでありますので、島田市は別に自分のところでもしだめなら、どこかまた違うところへ焼却灰を持っていけばいいんだということで柔軟な対応ができるわけですが、ほかのところは二者択一ができないで、1カ所がだめだといって断られてしまったときには、今後もうどこへ持っていくかというのは大変大きな問題になってしまう。ですから、そこらが今、慎重になって、しっかりとした数値を出すようにということで国のほうには今要請をしておる段階であります。
◆15番(四宮和彦 君)その辺の何ベクレルが安全なのかというのが、これはもう本当に信じる、信じないの問題になってしまうんだろうと思いますけど、国の基準というのは、要するに最終処分で埋立処分をする場合に1s当たり8,000ベクレル、さらに、例えば建築資材なんかに溶融固化してリサイクルする場合については1s当たり100ベクレルという基準で、要は、埋め立ててそのまま遮蔽しちゃいますよというものについて8,000ベクレルと言っているわけですよね。リサイクルするものについては100ベクレルという非常に低い数字に変えているわけです。私が国の代弁をしてもしようがないわけですけれども、埋め立てをする場合には、埋め立てて土をかけて、また埋め立てて土をかけての、こういう層状に埋め立てていくことによって放射線を遮蔽しようということですから、それを信じるか信じないかという話になったら、これは水かけ論になっちゃうわけですけど、最終的には0.1マイクロシーベルト/h未満になりますよと言っているわけですから、要は自然放射線量と変わらない部分の放射線レベルまで抑えられますと。ですから、そこでの作業員自体の被曝の危険性等も含めて、そんなに問題になるような値ではないですよというのが、その8,000ベクレルという数字だと思うんですよね。だから、もしそれが正確なものかどうかわからんという話になったら、国は、そうだと環境省は言っているわけですから、だれがそれを検証するんだという話になっちゃうと、自治体側であとは独自基準を作成するしかなくなっちゃうんじゃないかなというふうに思うわけです。
それは、そういうものとしてですけれども、先ほどの話のとおりですけれども、伊東市の場合も焼却灰で主灰から1s当たり273ベクレル、それから、飛灰から2,330ベクレルですね。非常に高いというか、これも分母の問題ですから、本当に高いのかどうかわからないですけれども、放射性セシウムが検出されているわけですね。それでも栃木県のほう側、メルテックでは溶融固化を受け入れているわけですよね。ということは、このレベルの放射性物質の混入であれば、先ほどの国の基準でいうところの100ベクレル/sというのを最終的にリサイクルした段階でも超えることはないですよという安全性が確保されているんだというふうに理解してよろしいんでしょうかね。
◎市民部長兼危機管理監(鳥澤秀壱 君)その辺のところは、先ほど申し上げましたとおり、栃木県のほうは最初に1,000ベクレルならいいですよという話になっております。そして、今、伊東市の場合、混合灰レベルで890ベクレルという状況になっております。そういうことから考えますと、伊東市は少し高いのかなという気はしますけれど、その辺のところで再度調査をして、業者さんとしっかりと話し合いをすることが必要なのかなというふうに思っております。そういう状況の中で、向こうも商売でやっておりますので、どうなのかということをしっかりとした話し合いをして、その辺の受け入れをしていただくような、そういう格好になっていくのかなというふうには思っております。以上でございます。